ハンク・モブレーの代表作として、リカード・ボサノバが収録されている
ディッピンを思い出す人も多いだろう。
だが、彼の真髄は50年代から60年代初頭にかけての
一連の作品を聴いてもらわなければ伝わらない。
ハンク・モブレーは1960年から61年にかけて
『ロール・コール』『ワークアウト』『アナザー・ワークアウト』と
いずれもブルーノートにリーダー・アルバムを吹き込んでいるが
ここにハンク・モブレーの頂点が記されている。
ウィントン・ケリーやポール・チェンバース、アート・ブレイキー
(アルバムによってはフィリー・ジョー・ジョーンズ)
と言ったメンバーの好サポートで、独特の丸みのある音色で、バップ・フレーズを次から次へと
よどみなく響かせるハンク・モブレーは絶品だ。
本アルバムは、2曲のスタンダードと4曲のオリジナルで構成されているが
どれもブルージーなハンク・モブレー独特の曲想に仕立て上げられている。
ジョン・コルトレーンと比較して『イモテナー』なんて烙印を押している人も
自己の差ウインドを追い求めるハンク・モブレーの真摯な姿勢に気づくはず。
ソウル・ステーション/ハンク・モブレー
ソウル・ステーション/ハンク・モブレーに加筆・修正を加え転載。
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